みんなのQ&Aコーナー

1、診断編

Q1.

授乳中に腰がとても痛い時、どこに相談したらよいでしょうか? 

 

 

A1,

骨折の可能性を考えてまずは整形外科に行くことをおすすめします。「整体」「カイロプラクティック」「接骨院」などは、保険医療施設ではないため診断ができません。

参考 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002lamn-att/2r9852000002latt.pdf 

Q2, 

整形外科で「骨折はなさそう」「育児による筋肉疲労による腰痛」「ぎっくり腰」といわれましたが、その後もなかなか痛みが軽減しませ ん。どうしたらよいでしょうか? 

 

A2,

MRIを撮影できる施設での詳細な骨折有無の評価と、骨密度検査をすることをおすすめします。治療とリハビリのページにある『お願いカード』をプリントアウトして持参し、医師に提示してください。 


Q3,

「背骨の圧迫骨折がありそう」といわれましたが、病気の名前は教えてもらえませんでした。これからどうしたら良いのかわかりません。 

 

A3,

治療せずに様子を見ていると、脊椎の圧迫骨折が初めは    1個でも、そのうち2個、3個と増えてしまいます。こちらの『骨粗鬆症学会認定医』リンクでお近くの専門医に相談しましょう。 

Q4,

「骨折はしていないけど、骨密度がとても低い」といわれました。食事に気をつければ大丈夫ですか?  

 

 

A4,

骨粗しょう症であれば、積極的な治療が必要なことがあります。また、授乳中であると、その後に骨折を起こすこともあります。こちらの『骨粗鬆症学会認定医』リンクでお近くの専門医に相談しましょう。  


2、治療編(※治療薬一覧は「治療とリハビリ」をご参照ください )

Q1,

授乳中でも服用できる鎮痛薬が処方され、コルセットが出されましたが、このまま様子を見ていても大丈夫でしょうか? 

 

 

A1,

 授乳中は骨が折れやすいホルモンのバランスになっています。あらたに骨折を起こしてしまうかもしれないので、断乳することをお勧めします。急にやめると乳腺炎などのトラブルを起こしやすくなるので、産院の助産師に相談しましょう。 

Q2,

骨密度がとても低く、背骨の圧迫骨折を起こしているので、妊娠授乳関連骨粗しょう症であると判明しましたが、鎮痛薬だけで様子を見ています。大丈夫でしょうか? 

 

A2,

PLOと診断され骨折して間もない時には、まず、断乳して骨が溶けないようにし、骨を再生するための栄養素(カルシウム・ビタミンD・ビタミンK)をしっかりと摂ることが基本です。患者様の個々の状態によって、骨粗しょう症治療薬を選びます。こちらのリンクからお近くの骨粗鬆症認定医へご相談ください。 


Q3,

ネットを通じて知り合ったPLOの方は、私と違う治療薬を使っているようですが、治療方法が違うのはなぜでしょうか? 

 

A3,

 現時点(2020年7月)で、PLOに対する治療方法のガイドラインは存在していません。このサイトの『もっと知りたい骨のこと』に示した通り、原発性骨粗しょう症に対する治療法は確立されたものがあり、このプロトコルと個々の患者様の年齢、今後の妊娠希望などを考慮しながら、主治医が治療方針を決めています。不安な時は、お近くの骨粗しょう症認定医に相談してみましょう。 

Q4,

治療をはじめて1年経ちましたが、骨密度があまり上昇していません。治療方法が良くないのでしょうか? 

 

A4,

 骨強度は骨密度だけでなく骨質という骨の質も影響します。また、骨密度の上昇率は、患者様の20歳代の最大骨量がどの程度あったかにもよります。骨粗しょう症治療の最終目標は「あらたに骨折を起こさない」ことなので、骨密度だけにとらわれず、生活の質(QOL)の向上を目標にしましょう。不安な時は主治医の先生とよくご相談ください。 


Q5,

「骨密度が上がったので治療は終了」といわれましたが、痛みは続いており、どの程度の育児ができるのかわからず、不安です。 

 

A5,

 原発性骨粗しょう症の方が高齢者であるため、骨折後の生活の質を向上させるためのプログラムが育児をするママ向けでないことが問題となっています。現在、われわれのグループでは、産後リハビリテーションと骨折後リハビリテーションの融合を図り、PLO骨折後のママ向けプログラムを作成中です。このサイトの治療とリハビリテーションのページをご参照ください。    

Q6,

私のまわりにPLOになった方がいないため、辛い気持ちを分かってもらえず、育児に不安が多いのですが…。 

 

 

A6,

 こちらに「妊娠後骨粗鬆症LINEグループチャット」のリンクを貼ってあります。ピアサポートとして、ぜひご活用ください。


3、リハビリテーション編

Q1,

産後に腰の痛みが続いているのですが、整体などに行った方がいいでしょうか?

 

A1,

 産後の腰痛はよくあることですが、レッドフラッグと言われる、危険なサインがあります。
夜間も痛みが続く、安静にしていても痛みが続く、日常生活がままならないほど痛い、などの場合には、医療機関で適切な診断を受けることを強くお勧めします。

Q2,

コルセットが処方されただけで、特にリハビリを受けていませんが、自分でやった方がいいのでしょうか?
 

 

A2,

 骨折が治癒する間は、コルセットで骨折部位を固定します。医師の判断により、必要があれば、固定期間から、骨折部位に負担をかけないように理学療法士が注意しながら、筋力低下予防のためのリハビリテーションを行います。
自己判断での運動やマッサージは危険ですので、かかりつけ医に確認し、専門家によるリハビリテーションを受けることをお勧めします。


Q3,

コルセットをはずしてもよいと言われたのですが、自分でストレッチや運動をやってもいいでしょか?

 

A3,

 骨折が治癒した後に、どのような運動をしたらよいかなど、まずは医師に確認をしましょう。
コルセットで安静固定している間に、筋力低下を起こしている可能性がありますので、いきなり強い運動を行うことはお勧めしません。
理学療法士など専門家の指導のもと、骨折部位に負荷をかけないような運動を少しずつ行っていきましょう。

Q4,

骨折はよくなりましたが、姿勢が悪くなりました。もう戻らないのでしょうか?

 

A4,

 椎体骨折した部位や安静固定期間により、背中が丸まってしまうなど姿勢の変化が出ることがあります。
骨折部位による影響である場合には、罹患前と全く同じように戻ることは難しい場合があります。しかし、妊娠・出産により弱くなっている体幹(お腹周り)の筋力低下も姿勢保持に関与するので、赤ちゃんとの生活に負担がかからない姿勢づくりをすることはとても重要です。